カリスマ的悪役ギレン

ギレン・ザビはカリスマ的な悪役でもあります。カリスマたる所以になったのは、劇場版3部作の中でのギレンの存在でしょう。

ギレンはガルマ国葬やア・バオア・クー防衛戦時の演説で、国民・将兵・信奉者の士気を鼓舞するために叫んだ言葉があります。「ジーク・ジオン(Sieg Zeon)」と叫んでいますが、この言葉は、かつてヒトラー率いるナチスのスローガンだった「ジークハイル(Sieg Heil:独語で「勝利万歳」)」にちなんだものです。

ギレン・ザビ・・・ジオン公国総帥

ギレン・ザビは、デギンの長男で、ジオン公国の総帥そして階級は大将です。テレビ放映開始時の設定上の年齢は35歳で、『THE ORIGIN』では45歳です。身長190cmもある長身です。ギレンは少年時代から政治活動に参加していて、デギンの隠退した後はジオン公国の実質的最高指導者(総帥)になっていました。ガンダムの世界ではギレンの唱えた政治思想や世界観は巨大な影響力を持っていて、次世代にまで波及していきます。乗艦は不明ですが、グワジン級戦艦グワデンなどあります。

ギレンが青年の時に、父親デギンと共にジオン・ダイクンの指導する革命運動に参加しています。デギンの隠退した後に、ジオン公国の全権を掌握して事実上の最高指導者として君臨します。IQ240の天才で沈着冷静な男ですが、非情でかつ高慢な性格です。

宇宙世紀0071年にサイド3国民の優秀さを讃えて、サイド3の国民が選ばれたエリートとする選民思想の色合いが強い著書『優性人類生存説』を発表します。アースノイドやスペースノイドの大多数には非難されましたが、連邦政府の政策に強い不満を持っているサイド3国民からは熱狂的支持を受けました。

雄弁家でもあるので、国民を扇動するアジテーターとしても超一流です。彼の持てる才能を存分に発揮していました。デギンの反対を押し切って、国民の戦意高揚のために末弟ガルマの国葬をプロバガンダとして利用したところにもそれが現われています。ニュータイプについては、スペースノイドが優良種たる根拠の一因に使えるとは踏んでいたようで、戦争をジオンの勝利に終わらせた後に、ギレン自ら地球圏を管理・運営しながら、ゆっくり人類のニュータイプへの覚醒を待つつもりでいると語っています。

作の中で、政略・戦略の観点から「木星帰りの男」のニュータイプ、シャリア・ブルを戦線に投入しています。また『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するグレミー・トトは、彼の遺伝子とニュータイプの素養のある女性の遺伝子を使って人工授精で誕生した試験管ベビーであるという説があります。

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ギレンの思想

ギレンの政治思想は、一種の理想主義で選民思想です。スペースノイドは選ばれた民で、さらにその中の優良種がジオン国民であると主張して、国民を煽動していきました。ギレンは総帥という立場から、メインは政治に専念することが多くあり、軍事については弟ドズルと妹キシリアに任せていました。

しかし一年戦争開戦された当初の電撃作戦や地球侵攻作戦、ア・バオア・クー攻防戦の発案者はギレンで、その指揮も直接ギレンが執っていました。一年戦争の初期には、サイド3(ジオン公国)以外のスペースコロニーに対する毒ガス攻撃を行って、さらにそのコロニー自体を質量兵器として地上に落下させる「ブリティッシュ作戦」によって、地球圏総人口の半数を死に追いやっています。このような大量虐殺作戦の背景には、地球環境の保全には選ばれた民による支配が必要で、増えすぎた人口は調節していかなければないないという思想があります。

地球圏は選ばれた民によって支配しなければならないとする考えは、後のティターンズ指導者ジャミトフ・ハイマンなどにも多大な影響を及ぼしています。しかし、彼に匹敵するスケールの政治ビジョンやカリスマ性を兼ね備えた指導者は、その後現れていません。

デギンからは、「世界を読み切れなかったヒットラーの尻尾」と評されていて、デキンの急進性を危惧されていました。また、妹のキシリアとは政治的に競合する立場にあり、反目し合っています。しかしギレンは自らの才能と政治思想に絶対の自信を持っているので、キシリアなど歯牙にもかけていませんでした。キリシアが裏であれこれ画策するのを半ば放置していました。

『THE ORIGIN』では、父から「腹芸を身につけろ」と指摘されているので、キシリアの策謀をそもそも感知できていない、という描写がなされています。「ヒットラーの尻尾」と評された時には、小説版やテレビ版などでは軽く受け流していましたが、顔が引きつって、書類を持つ手が震えるほど激しい怒りを露わにしているので、超然とした態度を終始崩さなかった映画のほうではより人間臭さが加味されています。

一年戦争末期、ア・バオア・クーで連邦軍との最終決戦を目論みますが、デギンは事態を憂慮して独断でグレート・デギンに乗り込み連邦軍との和平交渉に赴きます。自らの戦略に従わない老いた父を完全に見限ったギレンは、グレート・デギンの進路こそレビルが率いる連邦軍の主力・第一艦隊の進攻コースと読みます。

そして和平交渉が始まる前に事を決しようと、予定を大幅に前倒ししてソーラ・レイを「ゲル・ドルバ照準」に最終設定して作戦時間21:05に発射を指令します。そしてレビル将軍もろとも父デギンまでも謀殺しました。

家庭的には父親デギンを軽蔑していて、弟妹達のことは歯牙にもかけていません。『THE ORIGIN』ではドズルの死を「武張って短慮を起こしただけ」と冷徹に切り捨てていて、それに対してデギンが劣勢ながらよく戦ったドズルを援軍も出さず見捨てたと非難しています。ただし弟妹達に積極的に危害や策略を加えるような所はないので、ギレンは兄としての愛情が欠如しているだけになっています。特に末弟ガルマに対して、父の希望を汲んで開戦した後も可能な限り安全な場所(参謀本部など)に置こうと配慮しています。ガルマを前線へ配置したのは武功をあげたいとするガルマ本人の意志と、キシリアの策略です。ガルマ自身は恋人イセリナに対して、「ギレン総帥は皆が思っているような恐ろしい人ではない」「僕達のことはいずれわかってくれる」と語っているので親愛感を抱いていることが伺えます。

優れた戦略家とされていて、開戦当初のジオンの快進撃はギレンの主導によるところが大きくなっています。ルウム戦役やア・バオア・クーの戦いでも優れた采配を見せていて、前線の司令官としても優秀であることが分かります。しかし、その一方で四つのサイドに対する民間人への毒ガス攻撃・コロニー潰しを立案したのもギレンで、人類史上未曾有の50億人大量虐殺の張本人でもあります。消耗の激しさや補給の難しさ(国力の大幅な消耗)が容易に想像される地球侵攻作戦を立案・実行して戦争の長期化も招いているので、国力差や世界情勢を本当に理解していたのかどうかと疑問符の付く行動も多くみられるので、デギンの「世界を読み切れない男」と言う意味で「ヒットラーの尻尾」の言葉が見事に当てはまります。

女性関係は希薄だった様子が伺えます。妻がいたとされていますが、妻との関係は不仲だったようで、公の場に妻は姿を現していませんし、記録も全く残っていません。小説版では秘書のセシリア・アイリーンと愛人関係とされています。クラウレ・ハモンとも愛人関係にあったとする説もあります。(小説版からの設定)趣味嗜好については、『THE ORIGIN』の「シャア・セイラ編」では高所ばさみを手に庭園の手入れを行っているシーンがあります。

膨大な人命を奪った一年戦争を引き起こして、国民を巧みな弁舌で扇動した事でアドルフ・ヒトラーと並ぶ独裁者と称されています。

ギレンの最後

ゲル・ドルバ線上からグレート・デギンの識別信号が確認されたとの報告を受けて、ギレンが父を殺したと知ったキシリアによって、宇宙世紀0079年12月31日に「父殺しの男」としてア・バオア・クー攻防戦の作戦指揮中に射殺されています。この時もキシリアに無防備に背中を見せていて、銃口を向けられても「冗談はよせ」と一笑に付していましたが、その余裕の態度が仇となりました。これらの「お家騒動」は連邦軍との敗戦の要因の一つになっています。

『THE ORIGIN』ではシャアの正体を知った上で、ザビ家への復讐心を棄てさせる約束で配下に加え、ジオングを与えています。その直後に、アニメに準じた最期を遂げています。

小説版では、最終決戦時に宇宙要塞ア・バオア・クーではなく、サイド3のズム・シティで作戦指揮を執っています。ア・バオア・クーを囮にして、味方をも巻き込みつつマハルのソーラ・レイを放って政敵キシリアも亡き者にしようとする冷酷ぶりが目立っています。最期はシャアやカイらニュータイプを引き連れたキシリアにズム・シティへ乗り込まれて、キリシアの「ビーム・ライフル」で射殺されます。

「トミノメモ」によると、グラナダ陥落後キシリアの死後も生き続けて、正面から連邦軍との戦いに臨んでいます。シャアの正体を知っても抹殺はしないで、使える限りは戦力と認める鷹揚さを見せて、積極的にニュータイプを前線に送り出している点などがテレビ本編とはちがっています。

ギレンの死後も、ギレンの思想を熱烈に信奉する集団によって動乱は続いきます。宇宙世紀0083年には、エギーユ・デラーズ率いるジオン軍残党勢力デラーズ・フリートが決起して、コンペイトウ(ソロモン)宙域で挙行された観艦式の核兵器による襲撃に続いて北米へのコロニー落とし(星の屑作戦)を決行しました。(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)

戦いは数だ!