ドズル中将

ビグ・ザムに登場するのはドズル中将、ドズル・ザビです。ジオン公国軍宇宙攻撃軍司令で、身長210cmの巨漢です。ザビ家の三男ですが、次男説もあります。親ダイクン派(旧ジオン派)からでは?と思われる爆弾テロの際に、同じ車に乗っていた弟のサスロを守れなかったことから、自らを三男と名乗るようになったとされていて、この時の傷痕をそのまま顔に残したのも自分へ戒めだといわれています。『THE ORIGIN』では元から「サスロ兄」と呼んでいます。

ドズル・ザビ

軍服の肩のトゲは威嚇用であるとも、従来のロボットアニメの“典型的な力押しタイプの悪役デザイン”の名残であるとも言われている。

ドズルは妾の子どもだと一般的に言われています。そのせいなのか、父親のデギンからはあまり愛されていないどころか、むしろ不当なまでにひどい扱いを受けています。ドズルの死に対して、デギンはギレンですらも憤るほど反応が少なかったです。『THE ORIGIN』ではもっとひどくなっていて、ガルマが士官学校の生徒達と蜂起した「暁の蜂起事件」の際に、ジオン士官学校校長だったドズルに、ほとんど責任がないにもかかわらず「能無し」と罵られたうえ、ガルマ達の責任を全て負う形で辞任させられています。(さらには連邦との会議でレビルから切腹が提案されますが実行されたかは不明)

しかし全く父親から愛されなかったわけでもありません。ドズルの戦死後に、デギンはわずかに残っていた戦意を殺がれ泣き、ただちに連邦との停戦を決意します。テレビアニメ版では、デギンに最も近く描かれているので、戦争に大きな犠牲を払うことに悔恨して、無用な殺生を好みません。身内に寄せる愛情は深くて、ひとたび事が起こると短気を発する激情家といった側面が極めて似ています。

乗艦はグワジン級戦艦グワラン(小説版ではガンドワ)、ルウム戦役時はシャアに譲渡する目的で竣工されて、将官用ムサイ級カスタム軽巡洋艦ワルキューレとも言われるムサイ級軽巡洋艦ファルメルです。

搭乗したMSはドズル・ザビ専用ザクIIで、コクピットは彼の巨体に合わせて拡大されていて、両肩に刺がついていて、カーキベースの金縁模様、ヒートホークはランバ・ラル専用ザクIと同じ大型タイプ。

いかにも高級カスタム機らしい風情になっていますが、設定上の話になっていて、ドズル専用艦船やMSはアニメ本編には登場していません。(グワランはソロモン防衛戦で出撃しましたが彼が乗っていたわけではない)テレビ版第11話と劇場版Iでは、ガルマの葬儀に出席するためにズム・シティに帰還する際は一般型のムサイに乗艦しています。

ルウムが戦役した後は、サイド1の空域に建設された宇宙要塞ソロモンに駐留します。ザビ家には父のデギンをはじめとして、ギレンやキシリアといった政治力に長けた人物が多くいますが、ドズルは政治に関与しないで、純粋な武人として振舞っていました。指揮官としての統率力・指揮能力も十分にあるため、部下の信望も篤くなっています。

また愛妻家としても知られていて、家族に深い愛情を注いでいます。『THE ORIGIN』で、妻ゼナに向かって権力の増大とともに人間味を失っていく肉親たちを嘆いています。妻ゼナとの出会いは暁の蜂起事件に加わったゼナに個人的相談を持ちかけられてからです。事件の後に、引責辞任で校長職を失った後にゼナに求婚しています。妻のゼナとの間に娘ミネバがいて、ザビ家の直系として一年戦争後もドズルの血脈だけは続いきました。

当初はモビルスーツを軽視していましたが、一週間戦争の戦果によってモビルスーツの効果を認めるようになりました。『THE ORIGIN』ではこの通説とは異なっていて、モビルスーツの開発を主導したことになっています。

司令官としてだけには留まらず、ザクIIF型(S型説も)を改修した専用機を操って前線に出向くこともありました。前線へ向かうことはポーズに過ぎませんが、前線兵士の士気高揚に大きな効果を上げたといいます。戦場視察を名目に実戦に赴いたとの説もありますが、おそらく直属の部下たちから行動を諌められたとも考えら得るので、戦果は記録されていません。

母ナルスの面影を強く残している弟ガルマを溺愛していました。弟ガルマの能力も高く評価していて、ドズル自身をも使いこなすような将軍になれと言うぐらいに、弟の長を楽しみにしていました。そのため、ガルマの戦死後に、弟を守りきれなかったとしてシャアを左遷しています。ドズル自身はシャアの処刑を主張していましたが、デギンの裁定で左遷となりました。。またガルマの仇討ち部隊としてランバ・ラル隊を地球に派遣しています。左遷の後キシリアに登用されたシャアを牽制するために、サイド6に寄港したホワイトベースに対してコンスコン少将指揮下の機動部隊を派遣しています。

地球連邦軍のチェンバロ作戦(ソロモン攻略戦)が開始される前にギレンへ援軍を要請しますが、ソロモンに送られてきたのは試作モビルアーマー「ビグ・ザム」1機だけでした。通信での会議の席でビグ・ザム1機で2~3個師団にも相当するはずと豪語するギレンに対して、ドズルは思わず『戦いは数だよ』と不満をぶつけています。

ガンダムマニアよ集まれ

ソロモン攻略戦

宇宙世紀0079年12月24日に、ついにティアンム提督指揮下の連邦軍によるソロモン攻略戦が始まります。突撃艇パブリクによるビーム撹乱幕によって要塞据え付けのビーム砲を封じられたソロモンは、地球連邦軍の量産MSジムやボールによる熾烈な攻撃や、新兵器ソーラ・システムにより甚大な被害を受けて、劣勢に追い込まれます。

もはやソロモンを支えきれないと判断したドズルは、妻子を脱出させた後にソロモンの放棄を命令して、ドズル自身はビグ・ザムに搭乗して出撃します。残存兵力が撤退する時間を稼ぐために、連邦艦隊の中心部へ特攻をかけました。(ドズルは一般兵用のノーマルスーツで出撃)

ドズルの操るビグ・ザムは強力な磁界(後のIフィールド)を張り巡らせて長距離ビーム砲を無効化して、大型メガ粒子砲でティアンム提督の旗艦「タイタン」を撃沈します。さらに拡散ビーム砲の斉射によって連邦軍のサラミス級巡洋艦やモビルスーツを多数撃破しました。

この圧倒的戦果に自信を得たドズルの「ビグ・ザムが量産化できれば連邦に勝てる」というセリフは印象的で今でもガンダムファンの中でも引用されることが多くなっいます。しかし、Iフィールドジェネレーターによるバリアシステムの弱点を見抜いたスレッガー・ロウは、自らが操縦するGファイター(劇場版:コア・ブースター)とアムロ・レイの操縦するガンダムを合体させて、攻撃が有効となるギリギリの距離まで接近しての攻撃をかけます。

この捨て身の攻撃でスレッガーは戦死しましたが、ビグ・ザムはガンダムのビームサーベルで撃破されて、ドズルは戦死しました。その直前に、ドズルは断末魔にも聞こえる執念の言葉を叫びながら単身ノーマルスーツ姿で無反動ライフルをガンダムに向けて発砲しているますが、アムロはドズルの背後に立ち昇る悪鬼のような人間の情念を目の当たりにして戦慄するのでした。(劇場版ではもっと抽象的な黒い霧のような存在になっている)

戦いは数だ!